(2012.7.1)モチーフサーキット@関大リサーチアトリエ

■ TJWKアカデミアモチーフサーキット
日時2012.7.1
場所関西大学リサーチアトリエ(天神橋筋商店街)
ゲスト「被災地理科教育支援 奮闘記」
(倉田純一先生 関大システム工学部)

当日は、雨にも関わらず、約40人の方にお越しいただき、みんなでモチーフを編みました。
出足こそ鈍かったけれども、午後からはたくさんの方が集まってくれて、なんだかんだで会場がいっぱいになりましたですよ。

久しぶりの再会の方、昨年知り合って、今ではすっかり仲良しの方、いろいろです。
イベントのあいだじゅう、僕はUstをチェックしたりTweetしたり、写真を撮ったりと、あんまり余裕はなかったんだけれども、いろんなことを思い出してました。
昨年のこの場所からはじまったんだよなー、って。
あんときはまだ、なんもなかった。
海のものとも山のものともわからないプロジェクトにたくさんの人が集まってくれたのだけれども、でも、まだなんもかたちになっていなかったし、どこまでできるんだろうという不安は強く、でも同時に、こんだけの人が集まって上手くいかないはずがないという希望、いろんなものがないまぜになっていたのでした。
気負いもあったしね。

そこから1年を経て、今回はモチーフサーキットの会場に作品をバーンと展示することもできたし、昨年の記録集冊子を見ていただくこともできたし、モチーフを編むところからはじまるこのプロジェクトがどのような作業を経て、どのような人の手をわたっていくのか、ということをきちんと紹介することもできました。

Ustで作品紹介をすると同時に、作品の特徴や製作過程で留意したことなどを、繋ぎ隊の主力メンバーであるみかり~んさんご自身の言葉で紹介していただくことができました。

「被災地理科教育支援 奮闘記」
(倉田純一先生 関大システム工学部)

倉田先生は、子供の理科離れを防ぐために、小学校へ出向いて理科の出張講座をずっとされている先生です。
震災以降は、被災地に赴いて、理科の出張授業をされておられます。

恵まれている地元でやるよりも、今は被災地に行ってやらんのとアカンのちゃう?と、ボソッと漏らしたひとことは、発火点になるまでもなく、オレも!オレも!と、一瞬で話がまとまり、一瞬でチームが結成されたそうです。
このなかには、実験器具の運搬をいつも請け負っている日本通運のドライバーさんもいらっしゃいます。「震災直後から日通は動けてますよ。というか、僕、行きたいです」

そこから被災地の教育委員会とさまざまな調整が行われ、倉田チーム一行は、石巻市の小学校5校で、小学4年生、5年生、6年生に、理科の出張講座を行う巡業に出ます。

復興支援のために石巻市の宿泊施設に空きがなく、毎日、仙台と石巻市を片道2時間かけて往復したこと。
活動基地の拠点を石巻市の「イオン」に置いたこと。(昼飯確保、大切!)
対象小学校が使っている教科書の対応単元表を調べて、教科書に準拠した内容の授業を行ったこと。
細かな話はいろいろあるのですが、印象に残っているのは、
理科室は通常、校舎の1階に設置されることが多く、そのために、震災で全壊しており、実験器具もなにもなく、理科実験ができない現状があるということです。
実験をして、体験を経なければ、詰め込みだけの授業になり、それは理科離れの要因になります。そういうことを防ぎたかったのが、この企ての、狙いのひとつです。

実際に、被災地小学校で行われた理科の授業実験を、再現してもらいました。
腕の動きと筋肉の働きについて考え、知るための実験です。オシロスコープを使って、腕の動きと筋肉の働きがどのような関係になっているのかを、眼で見ることができます。こんなの、大人が見てもおもしろいですよ!

ただ、実験に際しては、児童たちのPSTDに配慮しなければならない。
たとえば、通常の模型では、骨格と模擬筋肉の模型を使うけれども、調査したところ、骨格の模型はNG!というところが多かったとのことです。そういう場合を想定して、骨格ではなく、腕のかたちをした模型をあらかじめ用意していったのは正解だったとか。
また、海に近い小学校の児童と山にある小学校の児童を比べた場合、PSTDの度合いは、山側の児童のほうが重いということもわかりました。
海側の児童は、直接、津波による被災を体験しています。翻って、山側の児童は、そのような被災をしていない。それなのに、山側の児童のほうがPSTDの症状は重症である場合が多い、と。
海側の児童は、直接の被災者だから、見たこと体験したこと以上の情報を持ちません。でも、山側の児童は、被災こそしなかったけれども、友だちや知り合いから多くの体験談を聞かされ、イメージが増幅してしまうのですね。結果、山側の児童が重いPSTDを発症してしまう…。

このようなお話は、マスコミからはなかなか伝わってこないですね。
こうやって、積極的に関わっておられる方のお話を聞くと、イメージが広がるし、また、支援を続けているのは自分たちだけではないという、当然のことを、あらためて認識することができます。

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