京都を中心に活動するニット・アーティストatricot(アトリコット)のHPです。ニット作品やオリジナル手紡ぎ糸、ニットカフェ、レッスン動画、羊や糸紡ぎなどについて紹介しています。

hitsuji / 糸紡ぎについて

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糸つむぎについて


hitsuji / 糸紡ぎについて
糸を紡ぐということは、単純に繊維または羊毛を引き出し、撚り(より)をかけて糸にすることをいいます。
糸を紡ぐという行為からできたいいかたで、「言葉を紡ぐ」というのがあります。
伝えたい人にうまく伝わるように、丁寧に丁寧に言葉を選んで、繋いでいく。
糸紡ぎも、私にとってはおなじです。糸にするという単なる作業ではなく、いいものがつくられるように羊とタッグを組んで、新しいものを生んでいく…。
そんな感覚。
そんなatricotの、糸紡ぎのお話です。

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糸紡ぎ
糸紡ぎといえば、糸車をカラカラまわして…、そのあとは? なぜ糸車をまわしたら糸ができるの?
最初、糸車すら見たことのない私は、仕組みがまったくわかりませんでした。でも、いざ、糸車を使ってみると、構造はとてもアナログです。
糸車はただ毛をねじる(糸を撚るといいます)だけの器具なんです。ペダルを踏みさえすれば、毛糸が自動的につくられる、そんな便利な道具ではありませんでした。それもそのはずで、糸車は古くから世界中の人々が使っていた、自給自足するために欠かせないものだったのです。
たとえば、「糸車に指を刺して死ぬだろう」と呪いをかけられた「眠れる森の美女」(とても糸車で死ねるとは思いませんが…)のお話や、タヌキが優しいおばあさんへ恩返しをするために糸を紡ぐという、とってもかわいらしい日本の昔話「タヌキの糸車」など、古くから糸車が登場するお話は、たくさんあります。

糸紡ぎ
さて、ここから糸紡ぎ実践編。
このように、毛をおなじ方向に撚ることにより、毛同士が絡み合って、たば状になり、もっと細くなって糸になります。ペダルを踏んで(踏んだぶんだけ糸がねじれます)糸紡ぎ開始。
右手から出した羊毛が絡んでいくのを見ながら、ゆっくり引っぱって、糸の太さや固さを調整します。引っぱると、ゴムのようにおもしろいほどぴよ~んと伸びていきます。うまくいくと、ひとにぎりの羊毛が手を思いっきり広げても足りないくらいの長さになります。
ここで重要なのが、左手。指先で糸の強さや太さを見て、ペダルを踏む速さや引っぱるタイミングをあわせます。
ここで、この羊の個性がわかります。おなじ種類の羊でも、人間のように一頭一頭、微妙に違うんです。息があうまでに時間がかかる羊もいれば、紡いですぐいいかんじの糸になってくれる羊もいて…。まさに羊との会話ですね。

糸紡ぎ
さっき羊と会話しながら紡いだ糸は、おなじ方向に撚っただけです。放っておくと、撚りがなくなって絡まなくなり、元の毛の状態になります。なので、このままではブチブチと切れてしまいます。
ですから今度はその糸を2本併せて、反対方向に撚っていきます。撚りは少し戻りますが、また新たな糸と絡むので、それ以上戻ることはなく、安定した糸が出来ます。
これで毛糸のできあがり。

糸紡ぎ
紡いだ糸から、今度は大きい輪っかの綛(かせ)をつくります。
まず、先ほどの毛糸を綛とり棒にグルグル巻きつけます。この、木でできた綛とり棒は、木工所を営んでいる父に頼んでつくってもらいました。木工所ではとてもいいヒノキを扱っているので、この作業をするときだけは、羊の少し動物くさい匂いをかいくぐって、プ~ンとヒノキのいい香りがします。おかげで、この作業が大好きになりました。
なんとなく、羊と木の相性のよさを感じます。

糸紡ぎ
棒に巻きつけた綛を3~4ヶ所、別糸で束ねて、綛のできあがり。この状態だと、洗いやすいし、干しやすく、また染めることもできます。この輪っかができると、糸紡ぎもクライマックス。ふ~っとひと息つけるところです。
あとはお洗濯して、干したあと、糸が引き出しやすいように毛糸玉にします。

糸紡ぎ
お洗濯は羊毛に負担がかからないようにぬるま湯を使います。ぬるま湯につけると、それまでほのかにしか匂わなかった羊の匂いが、前面に出てきます。最初は、「動物園の匂いだ!」と鼻を曲げていましたが、慣れとは怖いもので、今では慣れるのを通り越して、その匂いで「利き羊」ができそうな勢いです(笑)
そして、洗います。その際に、なんと!私の使っているシャンプーの2倍の値段の美容室専用の高級シャンプーを使います。これがまた、毛が傷まなくていいのです。本当は汚れを落とすだけなので、中性洗剤でじゅうぶんなのですが…、いつもお世話になっている羊さんへの感謝とねぎらいを込めて、ちょっとした気持ちです。

糸紡ぎ
いつもはいっぺんに綛をつくるのでこんな干しかたはしませんが、かわいかったので、つい…(笑)
干したら、あとは乾くのを待つだけ。羊毛は水分を多く含むので、どれだけ絞ってもまだ出てくるか!というくらい、下から水がポタポタと落ちてきます。乾いてだんだんフワッとしてくるかんじが好きなので、完全に乾くまでのあいだ、必要以上に触っちゃいます(笑)
干して乾いた綛を毛糸玉にして、やっと編んだり織ったりする作業に入れます。

糸紡ぎ
こうやって羊毛から糸ができるわけです。
写真で順々に追っていくと、なんだか気の遠くなるような作業に見えますが、実際はいっぺんに何玉分もの毛糸をつくってしまうので、それほど大変なものではありません。
特に紡ぎに関しては、自分の指先の感覚と足でとるリズムがすべてなので、できるだけ頭を使わず、ゆったりとした気持ちで行なうようにしています。
なので、むしろ、リラックスできる素敵な時間でもあるのです。fin.

maru

こうしてできた羊毛は、ラーメンにもなります(笑)

糸紡ぎ


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